USAの終焉 2008年11月

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 皆さんお元気ですか、朝比奈です。

 グローバルな金融危機が話題となっておりますが、実体はアメリカのバブル景気によって膨張してきた世界経済が、実体経済のレベルで調整されつつある局面といってよいのではないでしょうか。

 右図は2007年の投資マネーの流れを図示したものですが、これによるとアメリカへは一年間で1・2兆ドルもの資金が流れ込んでおり、これにより借金に依存した砂上の楼閣のような、米国流の消費スタイルが形成されていたことがわかります。(朝日新聞10/23)。

 多くの経済専門家がさまざまな推測を立てていますが、重要なことは今回の事態が第一次大戦後から続いてきたパックスアメリカーナの終焉を、経済的な形で裏付けたということだと思います。

 私達は、事あるごとにアメリカの時代の終わりについてお話してまいりましたが、政治的な凋落を象徴していたのは、同時多発テロ後のアフガン侵攻に続く、2003年のイラク攻撃(国連決議を無視した)の時期と記憶しております。この時期はまた、新型肺炎SARSの出現が確認された時でもあり、中国景気に浮かれていた世相とは裏腹に、私達は中国の未来についても悲観的な見通しを得たのでした。

 では、この先の世界はどうなるのか、私達はこれからの30年間はかなり混沌とした時代であろうと考えております。問題なのは、地球温暖化でも核の拡散でもありませんし、ましてやフォトンベルトのような宇宙的危機でもありません。その答えは既に私達の周りで起こっている出来事であり、あと20年足らずでグローバルな拡大を見せる類の事件です。それまさに人類史的なものであり、一定の協調行動をとらなければ現代文明は破綻に至ると思われます。YES/NOで示された未来像を前にする時、解決すべき事柄は無限に多く、時間はあまりにも少ないと考えざるを得ません。

 では、来月またお目にかかりましょう。