感染症は災害なのか 2009年5月

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 皆さんお元気ですか、朝比奈です。

 メキシコで発生した豚インフルエンザが、瞬く間に世界各国に広がりつつあり、当局の発表や検疫の状況などが連日マスコミをにぎわしているところです。

 ウイルスにはA,B,Cの3型があり、流行的な広がりを見せるA型とB型では、表面に赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白があり、これらが抗原と呼ばれています。 とくにA型では、HAには15種類、NAには9種類の抗原性の異なる亜型が存在し、これらの様々な組み合わせが、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布していて、変異しやすいのだそうです。これがワクチンや予防の足かせとなるわけで、いまだ人類に残されている最大級の疫病である理由だそうです。

 それにしても、21世紀のグローバルな経済の下では、人の行き来が従来とは比べ物にならないほど頻繁であることが、その急速な広がりから改めて思い起こされました。と、同時に、外出しない・マスクと手洗いの励行・パンデミックに備えた2週間程度の食糧備蓄・万一かかったら安静と栄養に配慮などという当局の通達が、自然災害--例えば地震や火山災害--が起こった時のような感じがしたのは、私だけでしょうか。伝染病は私達にとって、現代科学の成果をもってしても予測不可能な、突然の災厄(ハザード)であるようです。

 しかし、私どもはすでに8年以上前に、2020年代のはるかに重篤な感染症について予測をしておりました。その時、薬は全く無効・消毒薬は気休め程度であり、有効なのはこの力のみという結果が出ていたのです。薬剤耐性の成立やプラスミド(細菌の細胞質中の遺伝因子)の存在を考えると、これはうなづける結果だったのです。

 一方、この力によって生体膜のイオンチャンネルの制御(促進とストップ)が確実にできれば、感染症の克服も充分可能なのです。現代医・科学とは一味違う私達のアプローチの有効性が証明される日は、意外と早く来るのかもしれないと私には思えたのです。その時こそ、感染症が自然災害とは異なることが認識されるのではないでしょうか。

 では、来月またお目にかかりましょう。