三重苦の日本国民 2015年7月

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 皆さんお元気ですか、朝比奈です。

 最近は何人か集まると、話題がすぐ安保法制に向かい、さらにTPPや格差・原発や憲法論議となるやや殺伐とした状況になっているようです。政治の世界はそれ自体がある意味茶番のようなものなので、私はあまり取り上げたくはないのですが、今の日本は戦後謳歌した経済成長に行き詰まったこともあり、棚上げしてきた各種の課題に否応なく向かい合わねばならない時に至っているのでしょう。しかし、国会での議論は常に空回り、私たち国民は自分の身は自分で守るしかなさそうです。

 諸般の状況から言って、現在の日本の不安定要因は何もイスラム国や中国・北朝鮮・ロシアのような外患ではなく、地震や火山の危険性と制御できない福島第一といった内憂ではないでしょうか。箱根山の噴火を噴火と認めない気象庁などはともかく、5~6月に起きた地殻変動はあきらかに列島の大動乱時代を告げていると考えるのがまともな人間の思考回路でしょう。

 また、核燃料が溶け落ちた福島第一による放射能汚染もいつ終わるとも知れません。チェルノブイリの10年後から平均寿命が短縮したロシアよりも事態は深刻で、日本も2018年から大幅な人口減少が危惧されているのです。こうした要因を抱えているにもかかわらず、ドームがどうのという東京オリンピックをまだ本気で開催しようとしている国ですから、財政が悪化するのは当たり前とも言えるわけです。ギリシャの負債などたかが40兆円、我が国の1000兆を超す赤字に比べれば何とも牧歌的なレベルと考えてよいでしょう。

 実は、安倍内閣が外患を盛んに言い立てるのも、一触即発の爆弾を抱えた国内のこうした状況から国民の目をそらせるためではないかとも勘ぐりたくなるところです。以上の3要因の一つでも暴発すれば、たちまち国民は壊滅的な打撃を受けることになるのです。三重苦と言えばかのヘレン・ケラーが思い起こされますが、マスコミの劣化に伴って真実の報道がなされていない現在の状況は、まさに目・耳・口を奪われた状態といっても過言ではないと思います。国も自治体も助けてはくれません、いざというときのために自然災害と放射能に注意して健康な身体を保ち、国債の暴落に備えてお金の計画も怠りなくしたいものです。

 では、来月またお目にかかりましょう。