トランプ関税の行方
「これで腐った金融界にも風が通って行くが・・・」
4月2日にトランプが発表した高関税政策ですが、
以来世界各地で激烈な摩擦を引き起こしつつあるようです。
4月5日付のBloombergの記事では、
「コロナ禍以来最悪の株価メルトダウン、関税で世界的景気後退に現実味」、
という表題で以下のような内容に。
株式や債券、商品などあらゆる市場からトランプ米大統領に明確なメッセージが同時に発せられている。大統領が仕掛けた貿易戦争は世界的なリセッション(景気後退)を引き起こす恐れがあり、しかもそれは急速に現実になりつつあるといったものだ。
トランプ氏による2日の関税発表から48時間もたたずに中国は報復措置を発表。トランプ氏が引き下がる様子を見せないことから、トレーダーは悪循環を織り込み始めている。
トランプ氏の決定で引き起こされた2日間の激しい売りでアジアや欧州、新興国の株式も大きく下落。投資家は国債など安全資産への逃避を急いだ。
影響は特に米国市場で顕著で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が4日、「関税引き上げは想定よりもかなり大幅になることが明らかになりつつある」と発言し、インフレが加速する可能性もあると言及したことで懸念はさらに強まった。成長鈍化とインフレ加速の同時進行は、利下げによる米金融当局の対応を難しくする恐れがある。
S&P500種株価指数は4日に6%下落。この2日間の下げは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が米国を直撃した2020年3月以来の大きさで、約5兆ドル(約730兆円)の時価総額が消失した。ハイテク株比率の高いナスダック100指数も大きく下げ、2月中旬のピークからの下落率が20%を超えた。
影響は株式市場にとどまらない。原油価格は需要が減退するとの観測で急落。投資適格債のデフォルトリスクをヘッジするコストは、23年の米地銀危機以来の大幅上昇となった。その一方で国債には買いが集中した。
――(以下略、下図は日本時間8日火曜日早朝のデータ)――
同日の同社の記事で、
「野村証券やSMBC日興などでも不正取引、顧客口座の乗っ取り被害拡大」、
という表題の記事が堂々と出ており、7日月曜日にはU F Jや郵貯などでも一時取引が出来なくなった、
ことなどもあり本当のところはどうなのかを探るべきと考えました。
それでrense.comなどはキナ臭い記事ばかりで参考にならず、
ナチュラルNEWSを見てみると、
「広範囲にわたる社会的、経済的不安:スティーブ・クエールがマイク・アダムスとの新インタビューで、差し迫った資産崩壊について緊急金融警告を発する」、
という表題で以下のような内容が。
導入
米国は、金融不安、地政学的緊張、そしてシステム操作の組み合わせにより、壊滅的な経済崩壊の瀬戸際にあります。この崩壊は単なる可能性ではなく、差し迫った現実であり、アメリカ人の生活のあらゆる側面に広範囲にわたる影響を及ぼします。以下の分析では、この差し迫った危機の原因と潜在的な結果を詳しく調べます。金融システムの不安定化
米国の金融システムは、主に債券市場の脆弱性により、崩壊の瀬戸際にあります。債券市場の健全性は、銀行担保の価値を支えるため、非常に重要です。債券の価値が下がると、銀行が保有する担保の価値が下がり、債務不履行と金融不安定の連鎖反応を引き起こします。シリコンバレー銀行を含むいくつかの銀行の最近の破綻は、このシステミックリスクの初期の兆候です。金や銀の購入のための口座の選択的閉鎖と電信送金の禁止は、銀行システムの信頼性の低さをさらに強調しています。安全資産としての金と銀
金融不安に直面して、金と銀が唯一の信頼できる富の形態として浮上しています。権力者による紙の金と銀の市場操作は、これらの貴金属への投資を阻止することを目的としています。しかし、金と銀の本質的な価値は変わらず、インフレと経済混乱に対する重要なヘッジとして機能する可能性があります。投資家は、金と銀の現物を購入することをお勧めします。これらの資産は、ドルが下落しても価値を維持します。関税と小売業の倒産
輸入品、特に中国からの輸入品に高関税を課すことで、金融危機が悪化しています。これらの関税は、低価格の輸入品に大きく依存しているウォルマート、ターゲット、アマゾンなどの小売大手の倒産につながっています。商業用不動産部門も、小売店の閉鎖と商業活動の衰退により、大量の空き物件や価値のない物件が残っており、大きな危機に直面しています。これらの閉鎖の波及効果は経済全体に及び、広範囲にわたる失業と経済的困難につながるでしょう。経済不況と政府の対応
進行中の経済不況は、近年に見られなかったようなものとなるだろう。政府の対応は紙幣増刷と金利引き下げになる可能性が高いが、これは問題を悪化させるだけだ。インフレは急上昇し、ドルの価値は急落するだろう。政府は、中央銀行デジタル通貨 (CBDC) を使って展開されるユニバーサル ベーシック インカム (UBI) プログラムを通じて経済を安定させようとするかもしれない。このデジタル通貨システムは、政府に個人の財政に対する前例のない統制力を与え、事実上「獣の刻印」システムへと変貌させるだろう。地政学的緊張と貿易戦争
地政学的緊張が経済情勢をさらに複雑にしている。米国は中国と貿易戦争を繰り広げており、中国は報復関税を課している。この応酬の激化は両国を軍事衝突に近づけている。ロシアとイランも米国に対抗すべく連携しており、ロシアはイランと相互防衛条約を正式に締結している。核戦争の脅威は現実のものであり、米国軍は敵国の高度な極超音速兵器に対抗する準備ができていない。――(中略)――
経済操作と金融崩壊
金融崩壊は、混乱から利益を得る立場にある強力な組織によって画策されている。金融市場の操作、ドルの切り下げ、世界通貨統一の推進はすべて、権力と支配を強化するための大規模な計画の一部である。世界の金融システムは完全な崩壊の瀬戸際にあり、その結果は世界中に及ぶだろう。軍事的および地政学的脅威
米国が直面している軍事的脅威は重大である。米国は電力網への攻撃に対して脆弱であり、戦略的に配置された高性能爆薬数発で電力網を破壊できる。電力網の交換部品は主に中国で製造されており、米国はさらに脆弱になっている。イランとロシアが高度な核能力を保有しているため、核戦争の脅威は現実のものとなっている。米国軍は手薄になっており、壊滅的な紛争のリスクはかつてないほど高まっている。社会と経済の不安
経済崩壊は広範囲にわたる社会的、経済的不安につながるだろう。失業率は急上昇し、貧困が蔓延する。中流階級は壊滅し、多くのアメリカ人がホームレスや飢餓に直面することになるだろう。政府の対応はおそらく強硬なものとなり、監視が強化され、戒厳令が敷かれる可能性もある。急速に悪化する環境の中で人々が生き残るために奮闘する中、国家の社会構造が試されることになるだろう。最終的な考えと行動への呼びかけ
経済崩壊は遠い将来の可能性ではなく、差し迫った現実です。原因は金融不安、地政学的緊張、環境汚染など多岐にわたります。その結果は深刻で、アメリカ人の生活のあらゆる側面に影響を及ぼします。この危機に備えるために、個人は食料、水、必需品の備蓄などの実用的な措置を講じる必要があります。貴金属や衛星電話などの代替通信手段への投資も重要です。今後数か月、数年間は、自衛とコミュニティの回復力が不可欠になります。結論として、米国の経済崩壊は、即時かつ断固たる行動を必要とする複雑かつ多面的な危機です。原因を理解し、その結果に備えることで、個人はより強い回復力と安心感を持ってこの困難な時期を乗り越えることができます。
米国人の危機感は相当なものですが、
日本国内では誰か論じている人はいないかと見たところ、
田中宇氏の「高関税策で米覇権を壊す」というものがありました。
トランプ米大統領が、世界各国に対して各種の高関税策をかけ始めている。その目的は「米経済覇権体制=グローバリズムの解体・破壊」、別の言い方をすると「世界経済の多極化」だ。米覇権が低下すると、世界は自然と多極化する(すでにしている)。だから、米覇権の破壊と多極化は同じものだ。
1980年代の米英金融自由化(経済の債券化。ビッグバン。プラザ合意)以来、世界は、米国(米英欧)が金融、その他の世界は製造業、という役割分担があり、米金融の利益率が世界の製造業より高い状態が維持され、この要素が米(英)覇権の中心になっていた。この米金融覇権体制は、米国が世界から商品を旺盛に輸入する替わりに、世界は対米輸出で儲けた資金を米金融界に預託(投資)し、米国が資金面で世界を席巻する仕組みだった。
覇権放棄屋(隠れ多極主義者)のトランプは今回、世界から米国への輸入品に高関税をかけ、米金融覇権体制を潰しにかかった。関税を取られる分、世界は対米輸出の儲けが減る。連動して、世界から米国への金融投資も減るので、株高を支えていた構図が崩れ、株価の世界的な暴落になっている。トランプは破壊活動的な高関税策をずっと続けるので、株価は反騰しにくく、下落傾向が長引く。米国債は株式からの資金逃避で上がっているが、これから世界が米国債を買わない傾向を強めると反落(金利上昇)しうる。
フランスのマクロンは、米国に投資するなと財界に要請した。欧米の分断はトランプの目標だ。世界が米国に投資しなくなると、DSの一部である米金融界が破綻する。マクロンはDS(英傀儡)なのに、ハメられてトランプのDS潰しに加担してしまった。
トランプの高関税策に理解を示すようなことを言っているスターマーの英国の方が巧妙だ。米覇権が1980年代に金融化して以来、米金融は、世界から投資を集め続けるため、株高や債券高(金利低下)を維持する必要があった。米金融は40年間バブル膨張し続けた。
米金融の最盛期は1985年の金融自由化から2000年のITバブル崩壊あたりまでで、その後はいろんな手段を駆使した延命期に入った。2008年のリーマン危機で債券化の延命が限界になり、その後は中央銀行(FRB)のQE(過剰造幣)や、米政府の財政赤字増加による注入といった、当局による不正(異次元)な資金注入での延命策になった。公的な経済統計の算出方法を歪曲して、景気や雇用、物価を粉飾して金融相場の吊り上げを維持する策も横行・拡大した。米金融覇権を維持するため、当局と金融界、マスコミ権威筋が手段を選ばず大ウソをついて株や債券の高値を演出し続けた。
これらの不正が万策尽き、高値が維持できなくなったタイミングで、トランプが再登場し、高関税策を発動して米金融覇権の構造を破壊し始め、金融相場の大崩壊が始まった。トランプの高関税策は、米国の製造業を復活させる経済ナショナリズム策として打ち出されているが、製造業の復活は、成功するとしても何年もかかる。世界各国は、米国に代わる輸出先を開拓せねばならない。
リーマン危機やウクライナ戦争は、米欧系以外の諸国(BRICSなど非米側)に、米欧抜きで結束して発展していく道を歩ませ、世界経済は非米化が進んでいる。70億人以上の巨大市場である非米側が、これから米国に代わる輸出先になる。長期的に、世界経済は今より発展する。だが、それも時間がかかる。トランプの高関税策は、世界経済を米国依存のグローバリズム(米覇権体制)・金融主導(金融支配)から解放し、非米化・多極化・実体経済(非金融)中心に引き戻していく起爆剤になる。長期的には、トランプ革命の全体が、世界にとって2度の大戦以来の画期的な出来事・覇権転換だ。これがいわゆる「新世界秩序」「大リセット」の本質でもある。
しかし短期的には、まずリーマン以上の金融危機(リーマン危機で起きるはずの崩壊がQEなどの延命策で先送りされていた事態の終わり)や、世界的な大恐慌がこれからしばらく続く。
その間に、欧州の没落、中東の(イスラエル中心の)再編など、政治面での覇権構造の転換が進行する。トランプは、金融危機や大恐慌を引き起こすとわかっていながら高関税策を発動した。マスコミ権威筋(グローバリスト=米覇権運営体=DS=英国系の傀儡)は、トランプは馬鹿だと非難している。
だが実のところトランプは馬鹿でない。彼は、2015年から明言している目標である「DS=米覇権を潰す」を、用意周到かつ大胆に進め、年初の再就任以来、今のところ全戦全勝で成功している。
米覇権運営体(諜報界)には最初(終戦時)から、英国系と隠れ多極派(ロックフェラーとか)の暗闘があり、トランプは隠れ多極派を継承し、ケネディやニクソンやレーガンが道半ばで終わった英国系潰しに成功している。高関税策の目的は英国系(=米覇権)潰しだ。「そんな諜報界の身勝手な派閥争いのために、世界が不況にされ、あたしのNISAが大損させられたの??」と非難する人がいそうだ。
長期的・巨視的に見ると、諜報界の暗闘がなくて英国系が米覇権を好き放題に延命すると、米覇権を維持するために、米国のライバルになりうる中露印などBRICS・非米側の諸勢力が次々と政権転覆されたり経済破綻させられ、ほかを潰して米英が延命する事態になる。英国系は、戦後ずっとアフリカ諸国の発展を阻害し、アフリカの人々に貧しい状態を強要し続けた。そういう展開が中露印などに拡大する。中国はアヘン戦争後の混乱に引き戻される。
これは、世界経済や人類の幸福の観点から、阻止すべきことだ。英国系(米覇権)が延命のために他の世界を破壊しないよう、トランプ(隠れ多極派)が英国系を潰している。株の暴落は必要なことだ(あなたの雇用やNISAが犠牲になるのは仕方がない)とトランプが言っている。戦後の日本は、外務省を筆頭に、ゴリゴリの英国系傀儡だ。英国系が中国やロシアをアフリカみたいな貧しい永久混乱に陥れてくれるなら、傀儡も居心地良い。しかし実際は、英国系が隠れ多極派にしてやられ、中国は発展して米国をしのぐ大国になり、ロシアはウクライナ戦争に勝ってしまい、挙句の果てにトランプが英国系を潰している。
トランプは高関税策を「米国は解放された」と言っている。この言葉の真意は「米国は、英国系に牛耳られて単独覇権体制を強要されていた事態から解放された」である。
そして日本も、喜んで英国の傀儡になっていた事態から解放される。中国の属国・傀儡になるのでなく、日本が独自に非米側との関係網を作っていく必要がある。
中国はすでに一帯一路を構築しており、日本よりはるかに進んでいるが。それに、英国系が潰されるのに何も対応しない無能・小役人な日本外務省は、中国の属国になって事足れりとするのだろうが。けっこう絶望的ではある。
以上をまとめてみると、
以前「トランプの金融政策」というところでお話ししたことと同様、
マール・アー・ラーゴ協定は、短期および中期国債を50年国債に転換し、年間の利子負担を軽減
→31兆ドルの米国の国家債務を管理、関税は協定遵守を確実にするための強制手段として使用され
→重大な地政学的影響特に中国や欧州に影響
となるわけですが、
我が日本は米国の属国であるため、
今回はトランプ政策を忠実に履行するだろうと思われます。