山田國廣氏の放射能本(1)
「確実に増えている原因」
7月に「首都圏の放射能汚染の実態」ということで、
東京23区および多摩地区などの汚染が、
わが故郷福島県の会津地方と比較して、
さほど低くはないことをお話ししました。
政府がきちんとした計測をやっていないので、
果たして得られたデータが信ぴょう性があるのか、
またこんなに高い値が出る理由があるのか、
という感じも実はあったのです。
京都精華大学の環境学者山田國廣氏のことは、
ちょうどあの頃YouTubeで見ただけだったので、
理論的た部分が難しかったのと、
ちょうど夏の暑さにぶつかってしまって、
難しいことはやりたくないと思ったこともありました。
で、昨日とおととい、ちょうど時間ができたので、
再び挑戦してみました。
理論的に難しい部分は初期被ばくに関して、
汚染もあったが被ばく線量がきちんと計算されていないので、
原発推進側が何の責任もとらないことを許してしまっている。
この点を明確にするには、
放射線量を「差分法」を用いて、
クラウドシャインとグランドシャインに分け、
さらに初期のクラウドシャインを構成している核種の構成比をもとめ、
その後さらに難しい計算が延々と続く。
で、この部分は強制的外部被ばく線量と関係し、
さらに小児甲状腺がんの多発の原因を探るために必要なところ。
で、昨日は前の日熱帯夜で眠れなかったのでここは後回しにし、
とりあえず放射能汚染の進行経過と原因についてを先に頭に入れました。
まず、福島第一から現在なお放射性プルームが出ている証拠は、
東電は隠しているのですが、
原発は津波によって壊れたのではなく、
3月11日の地震動によって下部の配管系統が大きく損傷した。
特に 2号機がひどかったようで、
その他はデブリとして原子炉の下の方で水に漬かっているわけですが、
2号機は水をかけても全部下に素通りしてしまい、
原子炉の途中に宙ぶらりんの形で核燃料が露出していること。
東電は言わないのですが、
資料や事故の経過は明瞭にそれを物語っているとのこと。
露出状態なのですから水や空気と反応して、
その上建屋のベント部も破損しているのですから、
上からどんどん出ていくし下からは汚染水が漏れ出てくる。
下の図を見れば一目瞭然なのですが、
なぜか東電も反原発団体もこの真実を明らかにしないとのこと。
あともうひとつ現在も放出が続いている証拠は、
全国各地の環境放射線量のグラフに、
新たな放射性プリュームが飛んで来た時に生じるスパイク、
が北海道から九州まで各地で観測されているとのこと。
一日の変動リズムが全国で明確に確認されるということは、
グランドシャインの影響ではなく、
クラウドシャインが高くなったということなので、
これはまぎれもなく継続的に放射能が放置されている証拠なのです。
一定時間の放射線量=一定時間のクラウドシャイン+グランドシャインの和、
なのですが、これを理解するには、
「差分」という概念をわきまえる必要あり
ということで、
次は明日のことにします。