病気のネコ
「誤診率60%の業界」
昨日の午後、栃木の治療師さんから電話があり、
仕事の手を止められなかったので、
事務の者とのやり取りを聴いていました。
で、
「腎臓が悪くて脱水しているときは、どんなパワーを送ればいいのか」
という質問ですとのこと。
内容を聴いてみると、
「去年秋ごろから週何回も点滴に通っていたが、
今は腎臓が悪くて命にかかわるといわれ入院中」とのこと。
今度は私がその者に、
「年令と♂♀、従来何を食べていたか、メーカー名か商品名を訊け」と指示すると、
その担当者、
「そんなことより、どんなパワーがいいのか早く教えて下さい!」
というので、
「イヤ、それが重要なことなんだ!」と私。
電話段階でいろいろな可能性を考えているのが臨床医であり、
それが事務員には分からなかったようです。
(出典: http://azami-ac.skr.jp/healthcheck-aki.html)
しばらくして、
「9才の♀、ヒルズの腎臓用食」とのこと、
「いや、今食べているものではなく、去年から与えていたものだ」
と私。患者はドクターに話す時、少し余所いきに取り繕うからです。
すると、案の定、
「日本ペットフード ビューティープロ キャット 1歳からの成猫用 フィッシュ味1.5kg」とのこと。
で、私、口頭で伝えるようにと指示、
「獣医というのは頭が悪いのだが、その獣医もご多分に漏れず、
原発疾患はイエローファット。
魚肉の多色によるV.Eの欠乏により筋収縮力が低下し、
結果的に心臓の収縮力低下が起きた。
そのため、二次性の腎不全となりここまで来ている」
すると、「確かに今回心臓がバクバクになり診てもらった」
とのこと。
で、この治療師さん、養成講座は受けているとのことなので、
「心臓と腎臓へのパワーを送り、
さらに下垂体の副腎皮質刺激ホルモンの分泌を促すように」
と指示。
(出典:http://www.dental-sozai.com/illust.html?illust_id=1333)
仕事をしていると、こういう無料相談電話が入るのですが、
中間の人間が医学的知識がないため、なかなか大変。
それにしても、日本のペット文化の水準って低い。
獣医サイドでは、
偏差値が低いところへ臨床医制度も確立していないので、
こうした誤診はしょっちゅう。
また、ペットフードメーカーも、
魚屋上がりだったり、肉屋の発想だったりあまり文化的でない。
こういった相談があまりに多いので、
以前、ペットの病気相談室をやろうと広告したら、
東京都獣医師会からクレームが来て、
頭を下げに行った時など、
ブルドッグのような一人の獣医(新宿だったか)が言うには、
俺は一階で焼き肉屋、二階で獣医をやっている
とのこと、
土地の有効利用かも知れませんが、
ちょっと怖いですよね。