パーキンソンにiPS
「あたらノーベル賞で失敗?」
おとといの新聞に載っていた、
パーキンソン病への iPS 細胞の移植。
京都大学が世界で初めて脳へ神経細胞を移植するということ。
新聞では、
「20年越しの研究正念場」と言いながらも、
「実用化の道まだ遠く、他の治療法と激しい競争も」
と、 厳しい現状も指摘していました。
で、 ちょうど蛋白変性性疾患について調べて、
「アミロイドーシス」「アルツハイマー」「パーキンソン」
のレジメを作ったとこでした。
そして、この移植手術が成功するかどうかについて考えると、
そもそも、中脳黒質のドーパミン神経という部分が障害されるのですが、
これまで調べてきたところによると、
パーキンソンも極小ウィルスによる感染が原因。
このスローウイルス、発症まで数年から20数年もかかるので、
トレーサビリティが非常に取りにくい。
また、ウィルスの増殖には特殊な前駆蛋白を有するという体質的なものがあり、
これを持っていない人が大半なのでこの点も追跡が非常に難しい。
いずれにしろ、この結果異常蛋白が蓄積してしまうこと、
が中脳黒質をダメにするので、
仮に ⅰPS 細胞を移植したとしても、
すぐまたダメになる。
これは、心臓移植でも腎臓移植でも、
生活習慣なり体質なりを変えない限りまた駄目になるのと同じ。
新聞でも、
「脳に有害なタンパク質が溜まり神経が死んでいくという、
根本的な問題を解決する治療でもない」
と、 やや突き放した見方も。
また、今回の移植が、
患者自身の細胞からではなく、
他人の細胞を起源とする点も問題で、
拒絶反応を抑制する薬剤を使い続けなければならない。
福岡伸一氏に言わせれば、
ここでまた臓器移植と言う蛮行が行われるわけで、
平衡系はそれを回復するまでリベンジを行うことになります。
人が人工的に神になることなどできない
ことを、
生命と言う動的平衡が何より実証してきたのです。