百田のネトウヨ本
「日本人の現在がよくわかる」
昨日の新聞に 、
「月間Hanada 」の広告が掲載されており、
その記事で百田尚樹が「日本国記」というのを出したのを知りました。
で、 どんな内容かと調べてみると、
「 私たちは何者なのかーー。
神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、
独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。
本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と
激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、
壮大なる叙事詩である!
当代一のストーリーテラーが、
平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!」
とのことだが、
目次が出ていないので中身の評価はできない。
ただ、 BOOK レビューを見ると、
「 自国を貶る教科書が使用されているのは、世界中でただ一国、日本国のみ!
GHQ の占領が終わっても「教職追放」によってGHQに不都合な学者たちは潰され、一方GHQの覚えめでたき学者たち、たとえば東大の権威として君臨し続けた某憲法学者のような人物(戦後利得者)が、日本の憲法学界を牛耳ることとなった(本書では実名で記載)。彼らはGHQさえしなかった事、「日の丸」「君が代」「天皇」をなくす事を今も目論んでいる。本書後半では「自虐思想」に縛られた現近代史のこの問題に斬り込んでおり、読み応え有り!!」
とか、
「 大東亜戦争から敗戦、連合国軍による統治、日本の復興から沖縄復帰など、教科書では習わない事実が書かれていて、日本を守るために戦った英霊、そして戦前から戦後を生き抜き、日本が先進国になるまで死に物狂いで働いてこられた方々にあらためて感謝しています」
などを見れば大体は想像ができる。
この人たちの言い分もあるのでしょうが、
問題は明治政府が 皇国史観を前面に立て、
それが基本的に誤っていることが分かっていない点。
国を愛することと歴史の真実を知ることとは全くの別物であり、
この人たちに、
中世日本が奴隷制社会であったとか、
織豊政権は奴隷貿易を禁止するためにイエズス会を追放した、
とか言ってもおそらくは信じない。
ただ、批判する左翼も左翼で、
「 ・十七条憲法が日本の民主主義の起源であった。
十七条憲法は単なる掟のようなものであり、本来の憲法(英語ではconstitution)とは別物である。民主主義の起源とはとても呼べない」
というのを聞くと、
聖徳太子など日本書紀の捏造であった 事実に疎いよう。
「 ・継体天皇の時に皇位簒奪が行われたのではないか。「天皇は万世一系でなければならない」という不文律があり、このため『日本書紀』に不自然な記述をする必要があったと考えられる。
保守派の著者らしからぬリベラルな発言である。万世一系自体に無理があるから仕方がないかもしれないが」
などと言っているのも、
倭国は九州にあり、最初の委奴国が滅び、
豊前王朝が神武に乗っ取られ、
さらに百済の王統が入ってきたなど、
九州だけにおいても無茶苦茶に系図は変わっている点を理解していない。
まーしかし、
こんな本が話題になり何十万部も売れるというのは、
まさに縮小したパイの世界で亡者達があれこれ言っているだけ
のような気がします。
この先のこの国は少子高齢化もあって発展することはないのがよく分かる。