百田の本をめくってきた
「これで『国紀』とは」
昨日は近くのショッピングセンターに買い物に行ったついでに、
その中に入っている書店を見てきました。
そしたら、例の百田尚樹の「日本国紀」が5冊ほど平積みになってました。
まあこんなにちっちゃな町でも5冊なのですから、
それを12500倍すれば倍すれば60万冊以上。
百田と出版社の鼻息も荒くなるわけです。
で、 中身をパラパラ見てきたのですが、
最初のあたりがよくわかると思って見たのですが、
約30ページぐらいで大急ぎで縄文から古代までを扱っている。
縄文文化の位置付けにしろ、
弥生時代の歴史にしろ、
あるいはまた卑弥呼以降の歴史にしろ、
もうちょっとなんとも言えない低レベル。
九州王朝論者が読んだら慨嘆するようなひどい内容でした。
また、継体天皇のことは少し詳しくやっているのですが、
兼川晋がいみじくも抉り出したような、
百済の王統と日本の古代の関係は明らかになっていない。
ですので、それ以降の古代史も評価すべき点は0。
いやー、本人はあるいは支持者は、
明治以降に重点を置いてこれほど書かれた本はないと言っているのですが、
明治以降であろうとそれ以前であろうと、
私が勉強しているような内容とはまるっきり違うわけで、
とにかく日本の素晴らしさと天皇の偉大さなどが謳われているわけです。
これは歴史本ではなく右翼の街宣本
と捉えた方が正解であり、
斜陽となった日本人にとっては、
こうした慰めが心に響くのかもしれません。