首都圏の汚染の実態

「数年前より汚染が進んでる」

このあいだ、千葉県の会員から、
放射線量が高いと「スーパービリオン」を受けても意味がない、
というメールが届いたことはお話ししました。
で、とりあえず 0.06までが限度なので、
千葉は今のところ大丈夫と返事したと申し上げました。
ただ、あのとき、
銚子の実測値が異常に高かったので、
ここは多分田舎で人口も少なく第3者のチェックも入らないため、
原本がそのまま残っていたのだと考えると事態は複雑になる。
振り返ってみると、
「スーパービリオン」が開発されたころは、
関東地方もかなり放射線量が低かったのですが、
最近はどこもかしこもイエローゾーンになってしまっている。
例えば、最近になって黄転したのは、
宇都宮、水戸など北関東の街。
時々黄色くなるのが、
大宮、熊谷などと静岡県の中部。
静岡県中部は明らかに浜岡の存在が際立っている。
ただ当初考えていたのとは異なり、
放射能は福島第一からが主体としても、
正常稼働中の原発でも、休止中のものでも、
とにかく核燃料があれば何らかの放射性物質が出てくる。
で、国はずるがしこくガンマ線のみ計測できる、
モニタリングポストだけを置いているわけで、
ベータ線まで含めればその 2.5倍ぐらいがカウントされるわけです。

そして東京都などは特にひどく、
モニタリングポストがこの地域に 5カ所しかなく、
そのうち新宿の都庁のモニターは、
本来地上1mではかるべきところを 18mに設置しているわけで、
他の4カ所も改ざんのにおいがプンプンする。
ま、しかし、民間のものを探そうとしてもなかなかないので、
とりあえずこれまでにわかったのが、
国分寺市で、ここも昔いたので知っているのですが、
結構な田舎町であり、かつ適当に都市化されているので、
農産物の出荷などないので高めのデータがきれいに出ているのではないか。
それで、何とか 23区のデータなどがないかと思って探したら、
東京二十三区清掃一部事務組合についてというのがあったのです。
これを見ていくと、今年の五月のものなのですが、
中央区0.070、港区0.043、北区0.055、品川区0.045、大田区0.04、
多摩川0.08、世田谷区0.048、千歳烏山0.07、渋谷区0.07、杉並区0.045、
豊島区0.058、板橋区0.053、練馬区0.055、江東区0.063、有明0.058、
足立区0.073、葛飾区0.07、江戸川区0.055、
となっている。
ついでに同じごみ処理場なのですが、
武蔵野市0.07という数字が出ている。

以上の測定結果を見ると、
わが故郷福島県会津地方が、
0.07~0.08が中央値となっているので、
それより都内は若干低いものの、
極端に低い =安全とは言えないレベルだと考えられます。
事実、以前紹介した 2018年刊行の本にもあったように、
がんが東京下町と大阪市、
脳卒中が西多摩と茨城栃木、
心臓病が茨城埼玉神奈川ほか、
という発症率とぴったり合っている。
また、順天堂大学付属病院のデータでも、
2013/2011とごく初期のものしかないのですが、
明らかに特殊な病気が倍増している。
で問題なのは、
東日本も西日本もそうなのですが、
2017年三月を契機に放射線量がまた増え始めている
という、京都精華大学名誉教授で環境学者の
山田國廣氏の指摘なのです。
NHKのニュースについてはすでにお話ししましたが、
あの時はずさんな作業によるものなのかと考えていたのですが、
実はそれは非常に甘い見方だったと思われます。
なぜかは明日お話しします。

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