全体主義の完成

「知識人も役に立たない」

先週の土曜日、
ネットを見まわしてもあるいはテレビを見渡しても、
この先どうなるのか明確な情報がまったくつかめないとお話ししました。
で、いわゆる知識人といわれる人たちも、
言ってることはそれぞれ間違いではないのですが、
現在この状況で仕事をしている私たちにとっては、
明日あるいは明後日の意思決定に役立つようなものではない。
例えば植草一秀氏、

私たちの老後資金を預かる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2019年末の運用資産残高は169兆円だ。
GPIFは資金配分の詳細を公表しなくなった。
したがって、正確な推計はできないが、基本ポートフォリオに基づいて仮定計算すると、この3ヵ月間に25兆円程度の資金を失った可能性がある。
たった3ヵ月で運用資金の15%を失った可能性があるのだ。
重大な問題だ。
1.3億人の国民全員に1人10万円を支給しても13兆円だ。
GPIFが損失を生まない資金運用を行っていれば、その差額で1人20万円の現金支給をすべての国民に給付できた。
こうした時代に私たちは生活防衛を図らなければならない。
拙著『低金利時代、低迷経済を打破する最強資産倍増術』
(コスミック出版)
は、暴政の下で我が身を守るための方策について記述したもの。
コロナショックでの株価暴落局面でも損失を蒙らない方策がある。
月に2度、金融市場動向についてコラム記事を執筆しているので、こちらもご高覧賜りたい。

というのですが、
大体今の状況で現物株の取引きなどをやっているのは非常に危険で、
私たちは 7・8年前から先物取引き以外はやっていない。
これは、副島隆彦氏なども同様で、

 株の大暴落で、投げ売り (fire sale ファイア・セールという) あるいは、信用取引で、ロスカット(英語では、cutting loss  と言う)をさせられて、自分の資金のほとんどを、失ってしまって、泣いている、投資家たちが、アメリカで、1千万人ぐらい、日本でも、100万人ぐらい出ているだろう。
だが、日本人で、株とかの投資をやっている人は、国民の5%ぐらいしかいない(金持ち層は、子供の資金を親が動かしている)。だから、日本社会には、応えない。ところが、アメリカ人は、銀行預金をほとどんしていない(ドルを信用していない)のに、国民の6割ぐらいが株を買っている。
「401K」という、自分の年金の積み立ての残高を使って、自分で株の銘柄を、指定出来る。この暴落で受ける、打撃は大きい。 トランプが、むちゃくちゃな、株の、人工的な、つり上げを、ずっとやって来たからだ。それが、この3年半、続いてきた。
日本の株価(日経平均)は、15,000円を割ると、各種の危険な、年率20%とかの高利回りを約束している、仕組み債、バランス債、ノックイン債が、どんどん、「ノックアウト」して、自然解約されて、投資資金の全額が、戻ってこなくなる。そういうバクチをやっている人たちが、今、血相を変えている。
「まさか、いくらなんでも、日経平均の15,000円の割れはないだろう。なぜなら、ほんの、2月15日頃まで、日経平均は、24,000円を付けていたのだから」 と、言っても、このバクチの世界のコワさは、どうにもならない・・・・。

というのですが、
いつ株価が 2番底を迎えて暴落していくのか、
ということについては全く触れられていない。

それで、新型コロナについてもう一度考えてみると、
日本政府が最初から情報を完全に隠ぺいしているため、
正確な感染率や致死率についてはだれも把握していない。
韓国のケースをもとにして考えると、
感染率が 2.5%、重症化率がそのうち 3~5%。
ということはピーク時における状態は人口比で大体出てくる。
しかし、本当のところは民間では全く分からず、
大筋のところ抑えているのは国と行政だけなのではないか。
そうすると現在の状態というのは、
政府が一切の情報を独占し、
オリンピック延期までは感染率を低く見せかけ、
延期が決まったら感染爆発とか、
各地で日ごとに感染者数が更新されるとか言っているだけということになる。
国民は最初っからつんぼ桟敷におかれ、
烏合の衆を操っているのは安倍だの小池だのということになる。
それはちょうど、ブリューゲルの盲人の行進のようであり、
権力者がそれをどこに導いていくかは彼らの思いのままになるわけです。

前回は田中宇氏の言を引いて、
コロナウイルスと共存しながらいくのが無難とお話ししましたが、
多分長期的に大勢としては東アジア諸国はそうするのでしょうが、
短期的にどういう方策をとってくるのか、
食料や物資や物流やそうした部分は今後どうなっていくのかは、
ごく少数の権力者たちの胸先三寸ということになる。
あるいはこの先、
郵貯や銀行預金の封鎖があるかもしれないし、
事実上のデノミがあるかもしれないし、
この状況で国民は非常に不安なのですが、
こうした時に「新型コロナウイルスの検査体制を整えろ」、
などと言っている知識人は、
大衆の眼からすれば雲の上の人に等しい。
株価やドル円やについては、
今年秋口の予測を四月に出してみることとして、
場合によっては東京や大都市の封鎖などをファシストがやりかねないので、
私たちは当面それらに注意することの方が、
コロナウイルスよりも重要になってきそうです。
7・80年前と比べて通信機器は格段に進歩しているのに情報が入って来ない
というのが国民が置かれている状況であり、
全体主義はめでたく完成しているのではないでしょうか。

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