新型コロナの抗体検査はどうなのか
「新たなテクニカルターム交差反応」
先週はPCR 検査の欠陥と新型コロナの変異について考察し、
PCR とは全ゲノム情報ではなくゲノムの一部の塩基配列を調べるもの、ということもはっきりしてきたことが見えてきた。ということは、慶応の医学部が言う、
変異ウィルスの、「全ゲノム配列を高精度で解析することに成功しました。解析により得られた新規ゲノム配列情報は」という文言は、ウィルス自体が別種に変わったのではなく、ゲノムの一部の塩基配列が変わった事を指していると考えられる。一時は彼らのテクニカルタームに翻弄されたが、彼らは木を見て森をみないだけなのだ
という所までたどり着いたわけです。
ドクター崎谷博征にこの間の事情をまとめてもらうと以下のようになる。
米国疾病予防センター(CDC)のオフィシャルに掲載されている新型コロナウイルス(SARS-COV-2)に対するPCR検査の概要が公開されています。
その36ページの注意事項に、
「PCR検査で検出されたウイルスの遺伝子は、感染性のウイルスの存在を示しているとは限らないし、新型コロナウイルスが臨床症状(肺炎など)の原因とは限らない。」、
と正直に述べているのです。
オンライン講義でお伝えしたように、実際に検出されている遺伝子(RNA)が、培養細胞由来(検体をある細胞に振りかけて培養したものをグシャグシャにしたものを調べている)なのか、バクテリア由来なのか、つまりそもそも何の遺伝子を見ているのか誰も分からないのです。
ちなみに、バクテリアの中にもウイルス(バクテリオファージと呼ばれる)の遺伝子が入っています。
元来、PCR検査は、ある遺伝子の部分を増幅させる検査であって、ウイルスの存在自体を検出するものではありません(オンライン講義 参照)。
臨床症状、武漢への出入り(武漢に出入りした感染者への接触)や他の検査結果を組み合わせて診断しなければならないと述べているのです。
しかも、武漢や感染者とのリンクは全く関係のない人に検査をやりまくっているのです(診断基準を満たさない、no epidemological link)。
これはWHOの診断基準さえも満たしていないことになります。
他の検査方法と言っても、医療現場の現況では、以前もお伝えした胸部CT検査くらいしかありません。
この胸部CTでも、以前の記事でもお伝えしたように、新型コロナウイルス感染症のみに特徴的な所見などはないのです。
また、この新型コロナウイルス感染症用PCRキット。
他の様々なウイルスでも陽性になることが記載されています。
それらのウイルスとは、
・Influenza A Virus (H1N1),
・Influenza B Virus (Yamagata),
・Respiratory Syncytial Virus (type B),
・Respiratory Adenovirus (type 3, type 7),
・Parainfluenza Virus (type 2),
・Mycoplasma Pneumoniae,
・Chlamydia Pneumoniae
などです。
インフルエンザウイルスや通常の風邪ウイルスの感染者が今回の新型コロナウイルス感染症にカウントされているということです。
つまり、PCR検査陽性=新型コロナウイルス感染でとは言えないのです。ましてや、PCR検査陽性をもって。新型コロナウイルスが肺炎などを引き起こすことは証明できません。新型コロナウイルスの測定用のPCRキットの説明書にも以下のように注意喚起しています。
これは、PCRキットの検査の結果、陽性であっても、これをもって新型コロナウイルス感染症と診断してはいけないし、ましてや治療の根拠としてはいけないという警告です。
結局のところ PCR 検査の欠点が様々な人々に指摘され、
結果としてディープステート側は最近抗体検査にシフトしてきたようです。
ではこの抗体検査はあてになるものなのかというのが今日のテーマです。
引き続きドクター崎谷博征の言を借りると、
専門用語では、ELISAと言います。
B型肝炎ウイルスやエイズなどの診断で、この血液中の抗体検査が用いられています。
皆さんも、ご自分の血液検査で調べられたことがあると思います。
感染症専門医は、この検査をゴールドスタンダード(診断の精度が高いものとして広く容認された検査として、感染症の診断の拠り所としています。
自宅で少し指から出血させた血液をスマートフォンにかざすだけで、新型コロナウイルスの抗体検査が可能になるキットまで喧伝されています。
症状が出てから、約14日後には、抗体検索が可能になるとしています。
それでは、今回の新型コロナウイルスに関しては、一体何の抗体を見ているのでしょう。
新型コロナウイルスの表面のタンパク質(S protein)やウイルス粒子を包むカプセルのタンパク質(N protein)と反応するタンパク質(抗体)を検索しています(Virus research. 2014 Dec 19;194:175-83)。
さて、この抗体検査(ELISA)。
決して、感染症専門医がよって頼れる存在ではありません。
抗体検査も、PCR検査と同じく、違うウイルス、バクテリアや細胞の成分を認識して陽性と出ることが多いのです。
これを交差反応(cross-reactivity)と言います(何のタンパク質に反応する検査キットかによって、交差反応も変化する)。
ジカウイルスの抗体検査でも、他のウイルス感染でも陽性になることが分かっています。
実際に市販されている新型コロナウイルス抗体検査では、他のコロナウイルス(SARS,MERS, HCoV-OC43)でも陽性になります。
そしてこの抗体検査は、私たちに感染に関する正確な情報を与えるものではないことにも留意しないといけません。
エイズウイルス(HIV)に関しても、「過去の感染を示しているだけなのか、現在のアクティヴな感染しているのかは、抗体の存在のみで判断できない」ことを明確に示しています(Centers for Disease Control (CDC).
現代のサイエンスでは、抗体の存在について完全に混乱しています。
抗体とは一体何なのか?と言う基本的なサイエンスから問い直すことが必要です(『新・免疫革命』参)。
さてここでまた、
新たなテクニカルターム=「 交差反応」
と呼ばれるものなのですが、
これもちょっと勉強しないといけないので 次回にしたいと思います。