抗体検査は感度が低い

「抗体というのは元々特異度が低いため交差反応が起きる」

前回は抗原により形成された抗体が類似する複数の抗原に反応することがあり、
このために抗体検査を感染症の 確定診断に用いることはできない、
ということをお話ししこれを理解するには「交差反応」を知らなければ、
というところまで来ました。
そして「交差反応」の概念を頭に入れるにはどうも抗原抗体反応、
そのものをもう一度おさらいする必要があるようです。
それでサイエンス系お役立ちメディア「M-hub(エムハブ)」
というものに当たってみたところ出てきました。

抗原と抗体の結びつき
免疫化学を活用した抗体技術は、ライフサイエンス研究の多くの分野において必要不可欠なツールとなっています。免疫化学の基本原理は「特異的な抗体が、特定の抗原と結合し、ユニークな組み合わせの抗原抗体複合体を形成する」ということです。この記事では、抗原抗体複合体の形成に関与する「抗原と抗体の相互作用」について解説します。
抗原上の1つの抗原部位と、抗体との相互作用の強度は、抗原に対する抗体の親和性として表されます。各抗原部位では弱い非共有結合的な力によって、抗体の「アーム」の可変領域が抗原の多数の部位と相互作用します。相互作用が大きいほど、親和性も高くなります。抗原抗体複合体の全体的な安定性または強度に関しては、親和性よりも結合活性の方が、情報価値が高いかもしれません。
親和性は①エピトープに対する抗体の親和性、②抗原と抗体両方の結合価、③相互作用する部位の立体配置という主に3つの要因によって制御されています。究極的には、これらの要因が、抗体の特異性、すなわち特定の抗体が的確な抗原のエピトープに結合する可能性を定めているのです。
交差反応性とは
交差反応性とは、抗体または抗体の集団が、その抗体産生を引き起こした抗原以外の抗原のエピトープに結合することを指します。これは、抗体の結合活性または特異性が低いことによって、もしくは、複数の異なる抗原が同一または非常に類似したエピトープを持っていることによって起こります。
関連する抗原グループに対して全般的な結合が求められる場合や、進化においてエピトープのタンパク質配列が高度に保存されていない事例において種間標識を試みる場合には、交差反応性が望ましいこともあります。

文中で「エピトープ」とは抗原決定基のことであり以下のように説明されている。

エピトープは、抗原決定基とも呼ばれ、免疫系、特に抗体、B細胞、T細胞によって認識される抗原の一部である。抗体は、病原微生物や高分子物質などの抗原と結合する際、その全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな特定の部分のみを認識して結合する。この抗体結合部位を抗原のエピトープと呼ぶ。エピトープは抗原性のための最小単位である。 特定抗原の侵入により生成された抗体は,その抗原と同一あるいは類似のエピトープを持つものとしか反応しない。

ということでお分かり頂けたと思いますが、
問題なのはM-hub(エムハブ)の説明文の中で述べられている、
「 関連する抗原グループに対して全般的な結合が求められる場合や、進化においてエピトープのタンパク質配列が高度に保存されていない事例において種間標識を試みる場合には、交差反応性が望ましい」
という部分です。
私達は70年代の終わりから80年代初めにかけての免疫学を学んだわけですが、
抗原抗体反応というものは非常に特異的だということを教えられた。
しかしその後の免疫学の進歩により、
様々な非特異的な免疫応答というものも発見され、
生存のためにはその方が合理的であるということが分かってきた ようです。
ドクター崎谷博征氏が言うように、

抗体というタンパク質は、基本的に特異度が低い、つまりある特定の抗原に反応するものではありません。
環境中には何万という無数の抗原があり、それに対していちいち特異的な抗体を作るというような膨大なエネルギーのかかる無駄な作業を生命体は行いません。

これが交差反応が起こる原因であり、
ために抗体検査というものが感染症の確定診断には向いていない、
という結果を来し、ひいては、
抗体検査ではPCR検査の数十倍もの人が新型コロナウイルス陽性と出る
という結果につながる原因なのです。
ドクター崎谷博征氏によれば、

医学界以外ではPCR検査の問題が指摘され始めていますが、医学界では血液の抗体検査で混乱が起きているようです。
医学界(感染症学会)は、ウイルスに対する抗体検査が、臨床の現場での感染の確定診断(gold standard)としてきました。
過去記事でもお伝えしてきたように、それは大きな間違いであることが今回の記事の混乱でも明らかになりました。

ということなのですが、
この指摘は免疫学には非常に重要なものと考えられます。

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